「モコが怒った」      ’98年3月22日


モコが怒った

 モコがまたお腹をこわしました。何を食べたせいなのかは 分からないのですが、トイレから出て来たときにちょっとお尻が汚れていたのです。
 すぐにモコを風呂場に連れて行ってタライに湯をはり、妻とふたりで洗いました。 大急ぎで連れて行っていきなり洗ったので、モコもびっくりしたのか、かなり抵抗しました。
 それでもなんとか洗い終えて、タオルを何枚も使って水気を拭き取りました。
 いつもフサフサしているシッポがしなびたゴボウみたいにみじめなありさまに なってしまい、頭や胴体のへんは毛がふっくらとしているのに比べて腰から下は 濡れそぼち、どうにもみっともない姿でした。
 モコはガスストーブの前の床にお尻をつけてしばらく乾かしていましたが、ふいに立ち上がると またもやトイレに行きました。
 妻と私はため息を吐いて、もう一度モコを風呂場に連れて行きました。モコはさっき よりも激しく暴れました。私もちょっとムキになって力づくでモコを押さえつけました。
 突然、モコは口を大きく開けて、「シャアーッ!」と大声で叫びました。
 普段ほとんど鳴かないモコが怒ったのを見て私は、「へえ、モコでも怒るんだ」と単純に 驚きました。
 でも、怒ったのはその一度だけで、後は観念したのか騒ぎもせずに洗われていました。
 それが昨夜のことで、妻と一緒に早起きするモコは、今朝私が食堂に行ったときには ガスストーブの上で長々と体を伸ばして寝ていました。
 私はクシャクシャになっている毛を手でなでつけてやりました。いつもならうるさそうな そぶりをするモコが、今朝は妙におとなしくされるままになっています。
 昨夜のことが少しは気にかかっていたのでしょうか? 

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